私は87歳の介護福祉士。まだまだ生涯現役で頑張りたい。

夫が脳梗塞を発症して以降、自宅で介護ができるようにと旧ヘルパー2級資格を取得していました。その後、平成21年に夫のケアマネージャーが訪問した際「資格を活かしてお仕事をしてみませんか」とお話をいただいたんです。私はそのとき75歳になったばかり。逆に自分が人様のお世話になる年齢だからとお断りしましたが「あなたなら大丈夫！」と説得され、一度現場へ行くことに。その方は、私が夫の介護のために資格を取ったことや、普段の介護状況をつぶさに見て、この人ならきっと活躍できると抜擢して下さったのだと後で聞きました。
後日現場に行ってみると、訪問ヘルパーはとてもやりがいのある仕事とわかり、同時に、この年齢で誰かから必要とされていることに喜びを感じました。そこで、私で良かったらと入社したんです。
研修を経て、初めて私が訪問した利用者様は目の不自由な方でしたが、訪問後、会社に「次回からも同じ方に来ていただきたい」と連絡があり、上司と大喜びしたことが印象に残っています。

以前、夫の病状が悪化したため、急な休みも増えてご迷惑をかけてはいけないと退職を願い出たことがありました。そのときも「休職という選択肢もありますよ。またできるようになったら少しずつ復帰しませんか」と言っていただいたので、お言葉に甘えて休職させていただきました。
また、82歳のときには介護福祉士の資格を取ってみませんか？と勧めていただき、無事に介護福祉士登録証を取得。いくつになっても成長する実感を持てるのは本当にありがたいことだと思います。そして、そういったチャンスや環境を用意してくれ、いつも後ろで見守りながら背中を押してくれる上司や会社にも感謝です。

ここで働いていてとにかく驚いたのは、年に一度の海外研修。当時のセンター長から海外で研修すると聞かされ、慌ててパスポートの手続きをしました。アメリカ、カンボジア、中国の研修に参加させていただきましたが、80歳になってからこんな経験ができるとは思わずびっくり。一生の宝物です。現在は新型コロナの影響もあり実現は難しいですが、元気に働いてまた参加できるのを夢見ています。
私がこの年齢まで働き続けられるのは、やはり必要としてくれる人がいるから。人のお役に立てることが、人生にとってかけがえのないエネルギーなのではないでしょうか。